公開日 2026年02月10日
◆ 目 次
(2)「次の4年間の市政運営を導く羅針盤としての5つの力」について
(1)はじめに
本日、第4回定例会を招集いたしましたところ、議員の皆様には、公私何かとご多忙中にもかかわりませず、ご出席を賜り、誠にありがとうございます。
このたびの定例会は、去る11月23日に執行されました鳴門市長選挙において、市民の皆様から新たな4年間を託され、初めて臨む定例会であります。
そこで、本定例会の開会に当たりまして、市政運営の基本理念を改めて表明し、議員各位をはじめ、市民の皆様方のご理解とご協力をお願い申し上げたいと存じます。
私はこれまで、市政の第一線に立ちながら、鳴門の「再建」と「挑戦」を積み重ねてまいりました。
振り返れば、私が市長に就任した当時は、財政健全化に向けた行財政改革の取り組みも道半ばであり、競艇事業、運輸事業などの企業会計も累積赤字を抱えるなど、総じて危機的な状況にありました。
私は、この切実な危機感のもと、まずは財政状況を立て直し、将来にわたって持続可能な行財政システムを確立し、市民が主役の未来へ飛躍する鳴門市とすることを最優先の目標と位置づけ、一貫して行財政改革に取り組んでまいりました。
令和に入った頃から、本市の財政状況は確実に改善の兆しが見られ、生活福祉や子育て支援などのソフト事業に着手するとともに、道の駅「くるくる なると」や長年の懸案事項となっていた市役所新庁舎の整備など、次の世代への投資に踏み出す余力を備える段階に到達しました。
これは、痛みを伴う選択を乗り越え、ともに力を尽くしてくださった市民の皆様の努力の結晶であり、鳴門というまちが持つ底力の証明でもあります。
今後におきましても、市民の皆様への感謝の思いを胸に、鳴門市のさらなる発展に向けて全力で取り組んでまいります。
さて、私はこの選挙戦を、「鳴門を動かす」というキャッチフレーズのもと、多くの市民の皆様とともに、このまちの未来について真剣に考え、語り合いながら進めてまいりました。
選挙戦を通して私が改めて確信したこと、それは、鳴門には「もう一度、大きく動き出す力がある」ということです。
街頭でお会いした方々からは「鳴門をもう一度元気に」、「もっと子どもたちに投資を」という声を数多くいただきました。
前向きな挑戦を進めて欲しいとの声が増えてきたことは大きな変化であり、市民の皆様の姿勢そのものが「攻めの鳴門」へと変わり始めているあかしです。
まちに新たな息吹をもたらし、持続的な賑わいを生み出すためには、物理的なインフラや経済的基盤といった枠組みを超えた「まちの力」が必要不可欠です。
市民の皆様からいただいた声をしっかりと受け止め、「鳴門に生まれてよかった」、「鳴門に住み続けたい」、「鳴門に帰りたい」と実感できるまちを実現するために、「鳴門らしさ」を取り戻す挑戦を力強くスタートさせ、鳴門をもう一度誇れる場所へと再生させる未来を切り拓いてまいります。
(2)「次の4年間の市政運営を導く羅針盤としての5つの力」について
そのために、次の4年間の市政運営を導く羅針盤として「命と暮らしを守る力」、「未来を育てる力」、「支えあう力」、「まちを動かす力」、「心をつなぐ力」の「5つの力」を掲げ、市民の皆様に向けてお話しし、お約束をいたしました。
ここからは、市民の皆様にお約束をいたしました、それぞれの「力」について、改めてご説明をさせていただきます。
(ⅰ)「命と暮らしを守る力」について
まず、「命と暮らしを守る力」についてですが、市民の安全と日常の安心は市政の根幹であり、鳴門を動かす基礎体力となるものです。
今、市民の皆様の生活で、最も切実なものが、物価高騰による生活不安です。
これまでも、コロナ禍や物価高騰が続くなか、本市では幾度となく、国からの財源に市の持ち出しの財源も加えながら生活支援対策を講じてきました。
しかし、現在も物価高騰は続いており、市民の暮らしを機動的に支えることが求められております。
こうしたことから、物価高騰に対しましては、皆様の生活への不安に責任を持って向き合い、「今の安心」と「これからの未来」を守り、「必要なときに、必要な人へ、確実に動かせる仕組み」を整えるため、「生活支援未来応援基金」を創設いたします。
同基金は、「ためる」ものではなく、必要なときに、必要な人へ、確実に支援を「動かす」ために設置するものであり、生活支援や子どもの学び・未来投資、商店・事業者支援、防災・有事の備えに積極的に活用したいと考えております。
また、基金は定額での運用を想定しており、使用した分は翌年度に補填し、常時、動かし続けることができる仕組みを担保いたします。
基金を軸に、国の交付金なども最大限活用しながら、物価高騰対策パッケージを速やかに実施し、水道料金、指定ごみ袋の負担軽減、キャッシュレス応援ポイントなど、社会経済情勢の変化に対応した支援を、段階的かつ継続的に実施してまいります。
また、防災・減災対策においては、災害は予測が難しいため、「想定外を想定する」防災の重要性が高まっており、防災の安心を次の段階へ進める取り組みが必要です。
そのため、防災リュックの全戸配布や防災アプリの導入、DXの活用など柔軟で先進的な対策を重点的に実施いたします。
(ⅱ)「未来を育てる力」について
次に、「未来を育てる力」についてですが、鳴門の未来を動かすのは、子どもたちです。
子育て支援や教育振興は、「支出」ではなく「投資」です。
家庭を支え、子どもたちが世界に目を向けるきっかけをつくることが、まちの未来を育てる最良の方法のひとつであると考えております。
だからこそ、未来の主役である子どもたちに寄り添い、その成長を全力でサポートしてまいります。
修学旅行を完全無償化する「せかたび」では、世界と日本の多様な文化に触れ、自分の世界を大きく広げる機会をすべての子どもに届けるとともに、塾クーポン、通学定期代、就学援助費など、社会情勢や家庭の事情に関わらず、子どもたちの学びや経験に格差が生まれないよう、積極的に支援します。
また、高校生自らが、授業や部活の枠などを越え「やりたいこと」、「支援があればできること」を見つけ、まちの大人たちとも連携しながら、実践する取り組みを支援します。
さらに、行政が継続して取り組むことを市民の皆様に約束する「未来の契約」として、「条例」で仕組みを作り、各種施策の効果や継続性を高めたいと考えております。
「若者条例」、「学力向上条例」、「カスハラ条例」など、鳴門の未来に必要なテーマについて、市民の皆様の声を反映した新しいルールづくりにもチャレンジしてまいります。
(ⅲ)「支えあう力」について
次に、「支えあう力」についてですが、鳴門で暮らすすべての人が「ここで暮らし続けたい」と思える安心をつくることが鳴門を動かす基盤となります。
これまでも多くの方から、「移動手段を充実させて欲しい」とのお声をいただいており、今後、高齢化のさらなる進展により、移動手段の問題はより切実なものとなります。
また、外出の機会が多い人ほど、心身の健康が保たれ、健康寿命が長くなることが多くの研究で示されており、公共交通の充実は、健康づくりの土台でもあります。
こうしたことから、デマンド交通やタクシーチケット導入など、公共交通を再設計し、誰もが安心して出かけられるまちを、4年間で必ず実現します。
また、医師・介護人材の確保、予防接種助成の拡充など、地域医療を未来に繋ぐ取り組みを推進します。
さらに、DXを活用した介護予防事業の推進などにより、健康寿命の延伸を図ることで、すべての人にやさしい、100歳まで住めるまちの実現に全力を尽くします。
(ⅳ)「まちを動かす力」について
次に、「まちを動かす力」についてですが、鳴門を成長させるためには、市域経済やまちづくりをけん引する「鳴門の顔」が必要です。
その象徴として、「鳴門駅周辺一帯」を人が集い、誇れる場所へと生まれ変わらせます。
鳴門駅を移設し、谷通りを国道に接続することで人の流れを作り出し、カフェ等のおしゃれな店舗が集い、交流と賑いが生まれる場所に生まれ変わらせる「まちなか大逆転プロジェクト」を起動します。
駅西キョーエイ跡地は、所有者に対し、補助金による解体と市への土地受け入れを提案するとともに、民間活力による再生を推進します。
まちの中心に、もう一度にぎわいと誇りを取り戻したい。それが「まちなか大逆転プロジェクト」の原点です。
まちづくりとは、建物をつくることではなく、人の思いを積み重ねていくことであると考えています。
市民と行政、地域の事業者が一体となり、「鳴門らしさ」を取り戻すまちづくりに積極果敢にチャレンジしてまいります。
また、二眼レフの視点で挑む大麻町未来づくりや大麻町総合防災センターの整備も並行して進めるとともに、日本一の道の駅を目指し、「くるくる なると」新ゾーン整備プロジェクトにも着手いたします。
(ⅴ)「心をつなぐ力」について
最後に、「心をつなぐ力」についてですが、文化、伝統、人と人のつながりは、鳴門の最大の財産です。
鳴門の歴史と文化を守り、次の世代へしっかりと伝えていく。そして子どもたちが笑顔で育ち、未来に夢を描けるまちを作っていく。私の使命は、その夢を形にし、希望の灯を絶やさないことにあると考えています。
花火大会の復活を願う声が、今も多く届いており、夜空にさく大輪の花は、世代を超えて笑顔をつなぐ鳴門の夏の記憶です。
もう一度、あの感動をみんなで共有したい。その思いを力に、花火大会の復活を目指します。
また、長年にわたり多くの市民の皆様が望んでこられた市民体育館と室内温水プールについては、その立地に関し、市民の皆様や議会のご意見を丁寧に伺いながら、年度内を目途に結論を得たいと考えております。
市民の健康やスポーツ活動を支える場として、市民の安全・安心に寄与する場として、そして、まちの未来のにぎわいにもつながる拠点として、市民の皆様のお声を真摯にお聞きしながら、新たなスポーツ施設の整備を着実に進めてまいります。
さらに、「まちなかサッカー専用スタジアム構想」については、近年、地方都市でも地域の情熱と創意で新しいスタジアムづくりが実現しています。
「まちなかスタジアム」は、単なるスポーツ施設ではなく、人と人が出会い、まちが新しい表情を見せるきっかけにもなります。
実現には、様々な課題があることは承知していますが、まちづくりの原動力は「現実」だけでなく「夢」にあると考えております。
まずは、タスクフォースを設置しての検討、関係者との意見交換から始めさせていただき、私の4年間の任期の中で、方向性を得ることをお約束させていただきます。
皆様と一緒に大きな夢を見て、その夢を現実に変えるための挑戦を進めてまいります。
(3)「これからの鳴門」について
鳴門はこれから大きく動いていきます。
人口減少や地域課題が山積する難しい時代だからこそ、私たちは立ち止まるのではなく、一歩でも二歩でも未来へ踏み出していく必要があります。
私も市長として16年間、市政のかじ取り役を担わせていただきました。
行財政改革や様々な試練を乗り越え、鳴門は今、無限の可能性を秘めたまちへと生まれ変わりました。
再来年には、「市制施行80周年」という節目の年を迎えます。
私は、この4年間をこれまでの改革の積み重ねを成果へと結びつけ、未来へつなぐ、「鳴門の総仕上げ」としたいと考えております。
議員各位をはじめ、市民の皆様におかれましては、引き続き、市政運営に対するご理解とご協力を賜り、ともに鳴門の未来を創り、鳴門を動かしていくパートナーとして、力を合わせて進ませていただきたい。
皆様と力を合わせ「鳴門を動かす」歩みを未来へ確実に進めていく、その決意を申し上げ今期定例会における所信表明とさせていただきます。
